ゴルフの練習と言えば「打ちっ放し練習場」が代表的ですが、あなたは果たして『効果的な練習方法』を実践できていますか?『間違った非効率な方法』を行っていませんか?
間違った練習方法は明らかに上達を妨げます。
日々の練習を少しでも有意義なものにし一日も早く「100」を切りたい初心者ゴルファーの皆さんは、これから述べる「打ちっ放し練習場の正しい活用法」を意識してみてください。
ただ漫然とクラブを振ってボールを打つ「自己満練習法」よりも格段に早い上達が見込めるはずですよ。
1,正しいスイングイメージを持とう
上手くなりたい、スコアを伸ばしたい、100を切りたい・・・
ゴルフを始めたばかりのあなたは、きっと日々こう思っています。
では聞きますが、どんなふうに上手くなりたいのですか?
ただ漠然と振っているだけでは、悪い癖がより強く染みついてしまう危険性がありますよ。
何よりも大切なのは、しっかりと自分の理想とするスイングを見つけること。
そしてその方法としては、スイングの美しいプロ選手を見つけることが賢明です。
最近は動画配信サイトで探せば山のようにプロのスイング動画が出てきます。
無料で見放題ですから、こんなに良い教科書はありません。
プロの大会の中継を見て一喜一憂するのも楽しいですが、上達のためには理想とするスイングを見つけて、目に、頭に焼き付けてから練習場に向かうようにしましょう。
初心者が見るべきポイントはグリップや肘の位置などの細部ではなく、スイング全体の流れです。
美しいスイングは不自然な力みがなく、淀みのない綺麗な流れで構成されています。
そのリズムやイメージをまずは覚えてください。
ちょっとゴルフに詳しくなると行き過ぎた細かく断片的な方法論に目が行きがちですが、そんなものはもっと後でOKです。
参考として男性女性を問わずおすすめ出来るのは『女子プロゴルファーのスイング』。
男子プロのスイングは力強くて憧れますが、基礎的な体格、体力の時点で大きくかけ離れすぎていて現実的ではありません。
その点女子プロゴルファーの中には、非力さを技術でカバーする選手がたくさんいるんです。
実際の飛距離を見ても、男子プロよりもずっとあなたの飛距離に近いハズですよね?
ただ漫然と振り続けるよりも、脳も体もトレース出来ない遠すぎるイメージを持つよりも、より現実的で美しいイメージを持つことがあなたのスイング全体に良い影響を及ぼすことは明白です。
2,スタンスを固定して打ってはいけない
初心者に多いのが、足を同じ位置に固定したまま何球も続けてボールを打つ行為です。
「超」が付く初心者であれば、細かいことを考えるよりも「振る、打つ」という動作に慣れるという意味で多少の効果はあるでしょう。
しかし、何度かコースを回ったことがある方はご存知だと思いますが実際のコースに出たらスタンス固定で同じ場所から何球も打つなんて局面は一度もありませんよね?
練習場で大切なことは、すべての動作をコースでの動作に重ねてイメージすることです。
ですから、ボールを打つ際には必ずスタンスを取り直す必要があるんです。
一度打席から足を外してスタンスを取り直し、それでもなおボールとの位置関係が毎回同じになるような練習が肝心なんです。
「正しく立つ」ということがスイングの一番最初の動作であり、いつも立ち返るべき基本です。
- ボールの後方に立ち、飛ばしたい方向、落としたい場所を確認する。
- スパット(方向の目安にする目印)を見つけて正確に立つ。
- 軽く素振りをしながら足踏みをしてスタンスを落ち着ける。
一球一球、毎回こうしてスタンスを取り直すことで初めて「打つための一連の動作」の練習に繋がるのです。
3,お気に入りの打席に固執してはいけない
行きつけの練習場で、お気に入りの打席はありますか?
練習場の1階中央付近は練習場全体を広く使えて非常に気持ちの良いものです。
もしくは適度な遮蔽物に隠れて他者の目線を遮れるような落ち着く打席もあるかも知れません。
ですが、実は練習場の打席は毎回目的をもって意図的に変えた方が練習の幅が広がるということをご存知ですか?
例えば2階や3階の打席がある練習場。
1階に比べて1球の値段が安いから、という理由で好んで利用する場合もありますが、2階や3階であればあるなりの意識するポイントがあります。
2階打席や3階打席では、高い位置から打ち下ろすことになります。
このことによりラン(ボールがバウンドしてから転がること)の様子は実戦とは違ったものになってしまいますが、キャリー(打球が最初にバウンドするまでの距離)のポイントを正確に把握することが出来るというメリットがあるんです。
そのため2階/3階打席では、打球の高さとキャリーの関係を意識した練習が効果的です。
毎回同じ位置に落とせるか、高く上がった場合や低く出た場合にキャリーはどう変わるかなど、打球を高い位置から観察することでわかることが増えるハズですよね。
では1階打席のメリットはなんでしょう。
これは2階や3階では再現できない、アプローチショットなどのキャリーとランの比率を意識したショットの練習が出来ることですよね。
地面が近いからこそ、短い距離での打球の観察が向いているということです。
左右のネットが近い端の打席は圧迫感があって打ちづらく、敬遠されがちです。
しかし、端の打席では壁を意識したショットの練習が出来るというメリットがあります。
実際のコースでも右側がすぐ林になっていてプレッシャーを感じる局面だったり、左側が池になっていて絶対打ち込んではいけない局面だったりというケースが多々存在します。
すぐ隣がネットの端の打席では、こういったプレッシャーのかかる場面ではどういうスタンスで、どういうスイングで打つことが失敗を減らすのか、ということを意識して練習することが可能です。
さらに、スライスやフックの矯正のために敢えて壁のプレッシャーを利用することも場合によっては効果的でしょう。
このように、「今日はこんな練習がしたい」というイメージをもって打席を選んだ方がただ気持ちよく打てる打席よりも効果的で有意義な練習ができるんです。
4,人工芝のマットは最大限広く使う
練習場の人工芝は、ボールを設置するポイントが固定されがちです。
メンテナンスが行き届いていない練習場だと一か所の芝が剥げ、凹んでいる場合もありますね。
これは多くの方が特定のポイントにボールをセットして練習している、ということです。
ですが、コースに出たら毎回同じライ(地面の状態)でショットを行うことはまずありません。
芝の状態や傾斜など、地面は想像以上に変化に富んでいます。
練習場でこの変化を疑似体験するには、打席のマットを広く使うことです。
例えば、まずはマットの手前いっぱいの位置にボールを置いてみる。
次は奥の位置にボールを置いてみる。
たったこれだけでも非常に打ちづらく、緊張したショットになります。
また、人工芝の前方の端にボールをセットすることでインパクト後にヘッドが下に抜けるスペースが出来ますから、ダウンスイングのイメージを再現することが出来ます。
逆に後方の端にボールをセットすれば、ダフった時にクラブヘッドがボール手前でバウンドするラッキーショットがなくなり、ダフリへのプレッシャーを強く感じながら練習することが出来るでしょう。
スタンスを取る位置を変えれば傾斜を再現することも可能です。
レギュラースタンスであれば左足を思い切ってマットの外に置く。
そうすればマットの段差で左足下がりの傾斜を疑似体験できます。
右足を外せば左足上がりのライになりますね。
練習場は両隣りの近い位置に他のお客さんもいらっしゃいますから、安全に配慮することは忘れてはいけません。
そのうえで上記のような工夫をすれば、毎回同じシチュエーションのマンネリした練習から脱却し、いろいろなシチュエーションでのショット練習が可能なんです。
このように、同じ環境でも工夫次第で『効果的な練習方法』を実践することは充分に可能です。
そして、100を切る程度の腕前ならば独学でも充分に達成可能です。
上達のペースはあなたの工夫次第でいかようにも変化することを覚えておいてください。
練習の際のちょっとした準備、ちょっとした工夫が大きな差を生むんです。