「ゴルフのスコアを上げたい。」
「キレイなスイングを身に着けたい。」
ゴルファーに常に共通する『上達』の望みですが、これに向かうアプローチの方法は大きく二通りあります。
それは『レッスンに通う』か『独学で身に着ける』の2択。
そしておそらくは大多数の方が後者の『独学』を選択しているんじゃないでしょうか。
しかし、ただ漠然と打ちっ放し練習場へ通うだけでは上達のペースは上がりません。
今回はこの『独学でスイングを学ぶ』際に役立つ、スイング理論別の参考書籍をいくつか紹介していきます。
「最近ゴルフの腕前が停滞してきた・・・」
「何を意識したら今より良くなるのかいまいちわからない・・・」
そんな悩みを抱えている方におすすめする書籍ですので、是非ご自分に合うスイング理論を見つけてください。
きっと現状を打破するきっかけが見つかると思います。
ゴルフのスイング理論が一つではない理由
世界中で長く愛されてきたゴルフというスポーツにおいて、なぜスイング理論が正解となるひとつの答えに辿り着かないのでしょうか。
考えられる理由としてひとつは『道具の進化』が挙げられますが、木製ヘッドからメタルヘッドに変わったような大きな変革は今後しばらくは考えにくいですよね。
もうひとつ考えられるのは、ゴルファーそれぞれに体格や筋力が違うから。
スイング理論が正解に辿り着かない理由としておそらく最も影響が大きいのが、このプレイヤーの個体差であると考えられます。
そのため、ゴルファーは数あるスイング理論の中から『自分に最も合うスイング理論』に辿り着く必要があるんです。
独学での上達が難しい理由
ゴルフの上達にとって最も効果的なのは、ずばり『レッスンを受ける』ことです。
良いレッスンプロに師事できれば、独学よりも数倍早いペースで上達することも可能です。
では、なぜ独学での上達が難しいのか。
それは、理論が統一されない理由として挙げた『プレイヤーの個体差』『ゴルファーそれぞれの体格や筋力の違い』が、独学でのゴルフの上達を難しくする原因にもなっているからです。
最近はゴルフ雑誌やTV、動画サイトなどの各種メディアで膨大な数の「上達のコツ」「上達のヒント」などの情報に触れることが出来ます。
ですが、先述の通り各種理論は統一されたものではありません。
そのため、断片的に仕入れた情報同士をミックスして実践しても、すべてが相乗効果でプラスに働くとは限らないんですね。
最悪の場合は自分のスイングの長所を台無しにしてしまうようなことだって起こり得ます。
どの理論、方法論が自分に適しているのかを的確に判断できるセンスがあれば良いのですが、この選び取る作業自体がそもそも難しい。
だから、レッスンプロのような第3者の目を通して自分のスイングを分析し、導いてもらうことが効果的なのです。
自分の体の特性を知ることが大切
それでも独学でゴルフの上達を目指す場合、まず大切になってくるのが『自分の特性の把握』です。
体格や関節、筋肉の使い方は人それぞれで、この違いによってスイング時に効果的な力の入れ方、使い方が変わってきます。
そもそも自分の特性に合わないスイング理論を実践したところで、満足な成長は望めないか、もしくはとても遠回りでスローペースな上達になってしまうでしょう。
ですから、この記事ではまず初めに『4スタンス理論』をおすすめします。
ゴルフ 4スタンス理論
ゴルフ 4スタンス理論-正しいフォームは4つある。タイプ別でこんなに違う!
4スタンス理論をおすすめする人
・2つの異なる理論、方法論にぶつかった時にどちらが自分にとっての正解かで迷うことが多い。
・自分のスイングの長所、短所など、自己分析が足りていないと感じている。
・自分と同じ特性を持ったプロ選手を知り、参考にしたい。
こちらの書籍は、スポーツ全般に当てはめられる『4スタンス理論』をゴルフに特化した形で解説、診断してくれる内容になっています。
4スタンス理論とは、人間それぞれに違う体の動かし方、重心のとり方を【A1/A2/B1/B2】に分類することで、自分に適した体の使い方を導き出すといった理論です。
これにより、自分に適したスイングは「左手主導の引くスイング」「右手主導の押すスイング」のどちらなのか、インパクトの際に意識すべきは「左足での伸びあがり」「右足での沈み込み」のどちらなのか、といった、一般的に相反する方法論から自分に適した方法を選び取るための知識を得ることが出来ます。
本稿の冒頭に述べた『自分に適したスイング理論』に辿り着くための第一歩として、『自分自身の体の特性を知る』ということにまずフォーカスすることが出来るんです。
断片的な情報で迷わないことが大切
ゴルフの上達、スイングの構築を目指すとき、意外にも障害になるのが『情報過多』の状態に陥ることです。
たくさんの知識を詰め込んで、その中で自分に適したものを断片的に取り入れようとしてしまうと、相反する理論、方法論の板挟みになってしまうことがよくあるんですよね。
本当に大切なのは『多くのポイントを意識する』ことではなく『ひとつの完成したスイングを目指す』ことです。
そのため自分に適したスイング理論に出会ったと思ったら、一旦は雑音を消すために情報を遮断することも重要です。
この絞り込みを正確にするにも4スタンス理論で自分の体を知っておくことが大切なんですね。
ということでここからは、自分の特性を把握した前提で、ひとつの理論に特化して深掘り解説したおすすめの参考書籍を紹介します。
左一軸スイング(左重心スイング)
左一軸(左重心スイング)をおすすめする人
・スイングの際の下半身が安定しない。
・背骨の回転軸の意識が弱く、スイング軸がブレてしまう。
・一連のスイング動作をシンプルで安定したものにしたい。
左一軸スイングとは、スイングの回転軸を背骨(両足の間)ではなく左足にとることを意識したスイング理論です。
両足で行うブレがちな回転運動による重心コントロールを、回転軸を左足に固定することでシンプルにすることが出来る、という考え方ですね。
さらに、大きな重心移動を伴わないため回転運動が鋭くなる効果もあります。
こちらの書籍では従来の2軸スイングよりも1軸スイングが優れている点を解説し、理想的な左1軸スイングを習得するためのメソッドを紹介しています。
クオーター理論
0からやり直す 本当のゴルフの教科書 ~常識をくつがえす 桑田 泉のクォーター理論~
クオーター理論をおすすめする人
・腕、肘、手首の連動が上手く使えていない。
・インパクトの形が崩れ、スライスが頻発してしまう。
・ゼロから基本的なスイングを習得しなおしたい。
クオーター理論とは、日本を代表するレッスンプロの一人であり、あの桑田真澄元投手の実弟でもある桑田泉氏が提唱する理論です。
この理論では、スイングにおいて最も大切なのはスイング軌道の中でもハーフウェイダウンからインパクトまでの区間(スイングの1/4=クオーター)であるという考えを基本としています。
ゴルファーのうち初級者の大半はボディーターンを重視するあまりに手の動きがおろそかになりスライスが増えてしまいますが、クオーター理論ではボディーターンよりもクオーター区間の手首の動き、ヘッドの軌道といった「ボールにインパクトする過程の動作」を中心としている、と言うのがこの理論の特徴と言えますね。
Aスイング理論
Aスイングをおすすめする人
・手打ちのスライスに悩んでいる。
・しっかりとボディターンで打てるようになりたい。
・シンプルでパワー効率の良いスイングを身に着けたい。
世界的なゴルフインストラクターであるデビッド・レッドベターが提唱するスイング理論です。
腕に余計な力を加えないシンプルなスイングを理想とし、ボディターンを主体としてスイングプレーンを作るスイングですね。
少しクロス目に挙げたバックスイングからボディターンに連動して重力を利用してクラブを振り下ろすスイングは、ミート率の高さとパワー効率に優れているため少ない力でボールを飛ばすことが出来ます。
また、シンプルである為再現性にも優れているというメリットも兼ね備えています。
シンプル理論
谷将貴のスウィングの基本 (GOLF LESSON COMIC BOOK)
シンプル理論をおすすめする人
・ゴルフを始めたての初心者。
・スイングの悪い癖を改めて見直したい方。
片山晋呉プロのコーチを務めていたことでも有名な谷将貴氏が唱えるスイング理論です。
「理論」と呼んでいいものかどうか悩むほどクセのないシンプルなスイングを理想としているため、初心者の方から改めてニュートラルなスイングに立ち返ろうとする中級者の方まで広くおすすめできるスイング理論です。
全てのスイングの基本となるような内容ですので、いろいろ試した結果どれもしっくりこなかった、なんて時にも読み返せば必ず答えが返ってきます。
「シンプルイズベスト」でクセのないスイングを身に着けたいのであれば、最終的にココに帰ってくるゴルファーも多いでしょう。
最後に
自分の体の特性を見極める一冊と、スイング理論に沿って掘り下げた4冊、計5冊の参考書籍を紹介しました。
ここで列挙したスイング理論は数ある理論の中でもかなりポピュラーなものばかりですので、実際にこのスイングで戦うプロの動画なども見つけやすいのではないかと思います。
本当に自分に適したスイングを見つけるのはかなり大変です。
それでも、体に馴染むスイング理論を身に着けた時の上達速度は独学と言えども馬鹿に出来ないパフォーマンスを発揮しますので、焦らずじっくり、気になるスイング理論と向き合ってみてはいかがでしょうか。
▶これらの理論を実践しても上達が見えないときは・・・