ゴルフはメンタルスポーツです。
練習中やラウンド中のちょっとした気の持ちようでスコアが大きく変わってしまいますから、練習の成果を十分に発揮するためにメンタリティも強化しましょう。
今回はそんな『ゴルフのスコアを伸ばすメンタリティ』について書いていきます。
ゴルフは惑うもの
ゴルフは止まったボールを打つという独特のスポーツです。
サッカーやバスケットボールなど多くの球技は常に動的な展開を繰り返す中で瞬間的に判断してアクションを起こす「反射神経」のスポーツですが、ゴルフは毎回一打一打を静止した状態から始める静的なスポーツであるため「反射神経」を全く必要としません。
この静的なスポーツであるという特性が老若男女問わずにプレイできるという長所でもあるのですが、止まった状態からスタートするために「より多くの思考が介在してしまう」という難しい面も生むんです。
「右の池には入れたくないな・・・」
「トリプルボギーで100切りは消滅か・・・」
「またスライスしそうだな・・・」
ただ一度のスイングの最中にいろいろなことを考えてしまう経験はゴルファーなら毎回直面します。
そして、この惑いがスイングを乱れさせ、ボールを曲げ、スコアを荒れさてしまいます。
人間は脳で考えて体を動かしますが、その命令系統には必ず『無意識』が介在しています。
そして無意識化では「~をしてはいけない」という否定形の命令を認識できず、思い描いたイメージがダイレクトに体に反映されてしまうんですね。
そのため、先述の思考は
「右の池」
「トリプルボギー」
「スライス」
という負のイメージだけが残って体を動かす指令に介在し、悪い結果を生んでしまうんです。
チェック項目はシンプル且つ肯定の形で
では、どうすればスイング時の負のイメージを払しょくできるのか。
それにはまず、自分のスイング時のチェック項目を見直してみましょう。
多くの場合、ゴルフスイングにはセオリーと呼ばれるものも独自のものも含めて多数の理論が適用されています。
もうすぐ100を切れそうな脱初心者を目指すゴルファーなら、TVや動画、雑誌類でいろいろなスイング理論を勉強し実践しているはずですね。
そしてこの数多くの理論は、スイング時に数多くのチェック項目を生んでしまいます。
・テイクバックでフェースを開いてはいけない。
・右ひじを開いてはいけない。
・手打ちになってはいけない。
・などなど・・・。
ですが、呪文のように唱えるこのチェック項目は本当にすべてをスイングの瞬間に意識できているのでしょうか。
正直、絶対に無理です。
スイング自体は一瞬で終わってしまうものですから、せいぜい意識できて1~2点のチェック項目でしょう。
そしてスイング前にあれやこれやとチェックを繰り返す行為は、ただただ負のイメージと不安を生む無駄な行為であると言えるでしょう。
ではどうすればいいか。
答えは簡単です。
自分のスイングをなるべくシンプルに捉えることです。
細かい理論の反復は練習場で行ってください。
そして、コースでは如何に気持ちよくスイングできるかという考え方にシフトしてください。
チェック項目必ずは1~2点に絞っておいて下さい。
いざ本コースに立った時点で『練習通り』というありがちな呪文は無意味ですから、体に染みついた動作がよりシンプルに行えるように余計なチェック項目は無い方が良いのです。
そして大切なことは、1~2点に絞ったチェック項目は必ず『肯定』の形でイメージするということです。
否定)テイクバックでフェースを開かないように。
肯定)テイクバックでフェースを閉じるように。
否定)振り遅れて肩を開かないように。
肯定)インパクトの瞬間にヘッドが手元を追い越すように。
たったこれだけのことです。
これだけで、無意識に入り込んでしまう「やってはいけない間違ったイメージ」が「行うべき正しいイメージ」に置き換わるんです。
簡単なようですが、最初のうちはかなり意識的に行うようにしないと身につかない思考法ですので普段から思考のトレーニングを繰り返すようにしましょう。
自分にプレッシャーをかけないスコア計算
スイングのチェック項目と並んでゴルファーの体を固くするメンタリティが『スコア計算』です。
「100を切りたい!」と意識する方なら、なおさらラウンド中は意識してしまうポイントです。
・100を切るにはボギーペースを基本として組み立てないと・・・。
・前半で48。後半も大きなミスなく回らないと・・・。
・このコースでトリプルを叩いたら終わるな・・・。
よほどの強心臓の持ち主であれば関係ないことですが多くの日本人は保守的で臆病なメンタルの持ち主ですから、こういった思考は自分にプレッシャーをかけ、体を固くし、スコアを乱す原因になってしまいます。
でもよく考えてみて下さい。
そんな切羽詰まったゴルフは楽しいですか?
そのプレッシャーはきっと同伴者にも伝わってしまい、自分だけではなく周囲の人のリズムすら崩して重苦しいラウンドになってしまいますよ。
自分にプレッシャーをかけないためには、自分を許すスコア計算をすべきなんです。
「~をしなきゃいけない」ではなく「~ならOK」と考えるべきなんです。
・ダブルボギーペースですら108だからちょっと調子よければ100も見える。
・前半で48。自分にとっては出来過ぎだから後半崩れてもまぁしょうがない。
・なるようになる。この一打に集中!
これはスイングのチェック項目で述べた「否定と肯定」と同じです。
より厳しい制限を意識して委縮するよりも、「ここまでならOK、これを超えたらしょうがない。」と割り切ることでのびのびとプレイすることが重要なんです。
スポーツにおけるメンタルの重要性は近年プロスポーツ界でも大きく注目を集めていますが、ことゴルフに関してはアマチュアレベルでも大きくスコアに関わるということを知っておきましょう。