2019年、ゴルフのルールに大幅な改正が加えられることが決定しています。
全国のゴルフ場がこれに合わせて2019年1月1日より新ルール適用及びこれに即したローカルルールの改正を行うことが予測されますので、しっかり覚えておきましょう。
この記事では改正ルールのうち代表的なものを、ゴルフ初級者にもなるべくわかりやすく要約して書いていきます。
事前にざっと目を通して、2019年からの新ルールに備えておきましょう。
※R&A及びUSGA間で最終決定がなされた新ルールですが、日本語訳の最終稿は2018年11月以降になる見込みだそうです。
そのため、細かいニュアンスなどには若干の見直しが入る可能性があることをご了承ください。
改正内容は主に「プレー時間の短縮」と「ルール簡略化」
「ルールが複雑すぎてわかりづらい、覚えられない」
「ルールが厳格すぎてプレー時間が延びてしまう」
そんな声が大きかったのか、今回のルール改正は「プレー時間の短縮」と「ルールの簡略化」を重視したような内容が並んでいます。
ゴルフ人口は年々減少傾向にありますから、よりシンプルに楽しめる「ハードルの低いスポーツ」に変えていきたい意図があるんでしょう。
ボール紛失時の捜索時間が短くなる
現行ルールでは『5分』まで許されているボールの捜索ですが、新ルールでは『3分』に短縮されます。
プレー時間の短縮を意識したルール改正で、サンデーゴルファーにとってはかなり適用頻度が高い項目ですね。
長すぎるボールの捜索はプレー時間を伸ばす原因になりますから、後に続く組に迷惑をかけないためにもサッと探したらスパッとあきらめて適した対処によりプレーを再開しましょう。
ドロップの高さが緩和される
これまではペナルティを受けるなどしてボールをドロップする場合、「肩の高さからドロップ」することが定められていました。
これが新ルールでは「膝の高さからドロップ」に変更されます。
これまではドロップの高さが原因でボールが砂や地面に埋まってしまったり、2クラブレングス以上転がってしまい再ドロップになってしまうことがありましたが、新ルールでは膝の高さからドロップすることによりこれらのドロップ時のアクシデントが大幅に減ることが予想されますね。
これもプレー時間の短縮に効果が大きい変更内容と言えます。
グリーン上の特定の損傷を修復できる
これまでよりもグリーン上でのルールが緩和されます。
これまではボールマークや古いホール跡だけに修復が許されていましたが、新ルールではスパイク跡や動物の足跡、メンテナンス作業跡など、パッティングライン上の損傷に対しての修復が認められます。
これまで「アンラッキー」であきらめていた理不尽を感じづらくなり、よりコース設計意図に沿ったプレーを楽しむことが出来るようになりますね。
旗竿を立てたままパッティング出来る
これまではグリーン上からストロークする場合は旗竿を抜く必要がありました。
立てたままパッティングしてボールが旗竿にあたるとペナルティに該当するからですね。
コレが新ルールでは旗竿にあたってもペナルティ無しとなります。
そのため、「旗竿を抜くまでもないような場面ではそのままパッティングしてOK」ととれますね。
これはプレー時間の短縮にも効果がありますが、アプローチ時とグリーンオン時でルールが違っていたことへのルール簡略化も狙いなのかも知れませんね。
ちなみに、長距離のパッティングでは旗竿にあてる前提での強めのパッティングも有効な手段となる・・・?(まぁ失敗して大幅にランしてしまうでしょうけど)
ただし注意点が一つ。
後続の組はグリーン上の旗をめがけてショットしてくるため、これまでは「旗が無いからまだ前の組がプレー中だろう」という推測が成り立ちました。
しかし、新ルールが適用されると「旗が立っているけど前の組はプレー中」という状況も多く発生することが予想されますので、丘などの傾斜でグリーン上が視認できないときの「打ち込み」が増えてしまうかも知れません。
特に年明けの新ルール適用直後は危険ですから、必ず前後の組の動向に注意を払ってプレーをするように心がけましょう。
ボールが動いても故意でなければ罰則はなくなる
これまではボールの捜索中やマーカー設置時にボールが動いてしまった場合、それが偶然の場合でも1打罰のペナルティがありました。
これが新ルールでは無罰となります。
ただし、故意に動かすことは変わらずペナルティが適用されますので悪用しないように。
この悪用を防ぐためか、グリーン外で球を動かして元の位置が分からなくなってしまった場合、これまでは「推定した個所の出来るだけ近くにドロップ」となっていましたが、新ルールでは「球を推定した箇所(自然物に接していた場合は接した状態)にリプレース」となっていますので注意して下さい。
埋まったボールは無罰で救済を受けられる
地面に埋まってしまったボールに対して、これまではローカルルールでの規定がない場合はフェアウェイの芝の長さ以下に刈ってある区域のみ救済が認められていました。
これが新ルールでは地面にくい込んだボールは「ジェネラルエリア」内であればどこでも罰なしに救済を受けられる、となります。
※ジェネラルエリアとは、コース内のペナルティエリアとバンカーを除くすべての場所をさす新用語です。
ストローク時の偶然のアクシデントが無罰になる
ボールを打った際に、ストローク中のクラブに2度ボールがあたってしまう「2度打ち」は1打罰から無罰に変わります。
また、打ったボールが偶然プレイヤーやキャディ、その他同伴者や用具にあたって方向が変わってしまった場合も無罰となります。
ある種の不可抗力ともとれる『偶然』のアクシデントについては罰を問わない、というルール簡略化の狙いだと思われますね。
これについては次に述べる「レディーゴルフ」にも関連しているのかも知れません。
打順を変えてプレーする「レディーゴルフ」を推奨
通常、ゴルフの打順は「ホールに最も遠いプレイヤーから」打つことになっています。
しかし新規則では、安全を確保したうえでストロークの準備が出来ている場合はプレーの順番を変えても良いとする『レディーゴルフ』が推奨されます。
よく見かける場面としては、例えばロングホールの2打目。
打順のうえでは優先となる最もホールから遠いプレーヤーがFWで2オンを狙っているが、グリーン上では前の組がプレー中でストローク出来ない。
しかし、次にホールから遠いプレーヤーはアイアンで距離をきざもうとしているため前方の安全が確保されている。
このような場合は、当然アイアンを手にしたプレーヤーが先に打ってしまった方がプレーは迅速に進行出来ます。
こういった場合に、準備が整っている(Ready)プレーヤーからプレーを進行することを『レディーゴルフ』と呼んで推奨する、ということですね。
ストローク時間は40秒以下を推奨
ストローク時間についても40秒以下で行うことを規則で推奨しています。
とは言えスイングだけで40秒以上かける人はいないでしょうから(いる?いないよね?)、意識すべきは事前準備とルーティーンということになります。
「ボールに向かいながら次の落としどころをイメージしておく」「過度に長いルーティーンを常態化しない」の2点に気を付けて、スムーズなプレー進行を心がけましょう。
最後に
この記事では「わかりやすく要約」するため、細かい記述、ニュアンスについて触れていない部分がまだあります。
特にペナルティエリアについては、ウォーターハザードやラテラルウォーターハザードの扱い、救済エリアの策定などどうしても説明が細かくなりすぎる傾向にありますので、簡潔に説明した結果誤解を招く可能性もあると思い割愛させていただきました。
詳しくはJGA公式サイトでご確認ください。
▶JGA
新ルール適用まであとわずか。
新ルールを事細かに理解することも重要ですが、ゴルフは審判がいない「プレーヤーの行動規範に委ねられる」スポーツですので、ルールに込められた「意図、真意」を理解することで無用なトラブルを避け、スマートなゴルフを楽しみましょう。